toggle
2017-08-25

無許可で他人の臍帯血を移植した「事件」

 

他人の臍帯血をアンチエイジングやがん治療の目的で国の許可を取ることなく、患者に移植したという「事件」がありました。近く臍帯血の転売に関わった関係者が逮捕される見込みです。

他人の臍帯血を移植するには、国の許可が必要
今年、東京や大阪などの医療機関が、アンチエイジングやがん治療などを目的として、他人の臍帯血を国から許可をとらず、患者に移植するという「事件」がありました。臍帯血は2009年に破綻した民間の臍帯血バンクから流出し転売されたと見られ、愛媛県警などの合同捜査本部は転売に関わった関係者を、近く逮捕する方針です。臍帯血は臍の緒などに含まれる血液で、様々な細胞の元となる幹細胞が含まれており、白血病などの治療に使われますが、白血病を含む27の病気の治療以外に用いる際は、第一種再生医療として事前の許可が義務付けられています。

他人の幹細胞が将来どうなるのかはわからない
この事件は無届けであったという法令違反の問題であると同時に、健康面でも大きなリスクを抱えています。その意味でも立派な「事件」なのです。白血病の場合は、がん化した造血幹細胞を他人の正常な造血幹細胞に入れかえるわけですが、それ以外のがんについてはどういう理屈で行うのかさえよくわかりません。今のところ、健康被害の出ている方はいないといいますが、今後、どうなるのか予断は許しません。幹細胞は他人に移植しても拒絶反応は少なく、様々な細胞の元になるといわれますが、いいかえればどのようにでも変化しかねません。がん治療の目的で移植したのに、他人の幹細胞ががん細胞になってしまうことさえ考えられます。

Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0
関連記事