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2022-05-18

NKT細胞を利用する免疫細胞療法の限界


NKT細胞は発見されて新しい免疫細胞で、NK細胞とT細胞の性質を兼ね備えているとされます。

各種免疫細胞を利用する治療がある

がんは、免疫が低下し、がん細胞の増殖の勢いを抑え込めなかったことで発症し、進行します。そこで、がんに対する免疫細胞療法は、患者の免疫細胞を採取・培養し、体外でがんを叩ける状態に強化して、再び体内に戻します。数の面では圧倒的に多く、培養が容易なT細胞、そのT細胞に攻撃対象となるがん細胞の抗原を知らせる樹状細胞、がん免疫の要とされるNK細胞などが利用されます。そして、最近、開発が進んでいるのが、発見されてまだ新しいNKT細胞を利用した治療です。NKT細胞は、異物を自分自身で識別し排除するNK細胞の性質と、T細胞の一度抗原を提示されたら、それをずっと記憶している性質を兼ね備えるといわれています。

NKT細胞の攻撃力は、NK細胞には及ばない

但し、攻撃力自体はNK細胞には及びませんし、がんはどんどん変異していくため、学習した抗原がいつまで有効かどうかはわかりません。また、もうひとつの問題としてNKT細胞自体の数が極めて僅かであり、それ自体の培養お困難です。その結果、単球という免疫細胞の元となる細胞を介して、NKT細胞を刺激するリガンドという物質を投与したり、或いはiPS細胞を経由させることで、NKT細胞を大量に培養したりといった手段がとられています。

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