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2023-11-17

分子標的薬「タラタマブ」が既治療の小細胞肺がん患者に対して奏効率40%

免疫の仕組みでがんを叩く治療は、複数の抗原に対する抗体を使うことで、新たな取り組みが可能になりました。

がん細胞にT細胞を誘導する

分子標的薬「タラタマブ」は、がん細胞表面のDLL3と免疫細胞の一種であるT細胞表面のCD3の両方に対する二重抗体です。この両方に結合することで、T細胞をがん細胞に誘導し、がんを攻撃する新たな標的免疫治療として開発されました。このタラタマブについて小細胞肺がんで既に化学療法を行った患者に対して治験を行ったところ、完全奏効、部分奏効を合わせて40%と、良好な結果が確認されています。従来の分子標的薬ではがん細胞に特異的に発現し、その異常な分裂に関わっている蛋白質を標的として作用し、進行を食い止めるものが主流でしたが、このように2つの物質に対して抗体として作用することで、新たな取り組みが可能になってきました。

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