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2022-10-28

部位別に分類されているがんという病気


がんの全身治療は、部位を問わない治療になる時代が来るかもしれません。

部位別のがん治療の限界

肺がん、胃がん、大腸がん……。がんは部位別に名前がつけられ、部位別に治療が決まっています。これは我が国の医療が外科主導で発展し、標準治療が確立されたことが背景にあります。がんという患部を対象として叩く考え方になったわけです。しかし、標準治療ではがんで亡くなる方がなかなか減らない中、ゲノムの解読が進み、がんが遺伝子の変異によって発症することがわかり、遺伝子の変異という性質に応じて治療を選択するほうに向かいつつあります。また、がんは、免疫が十分に機能しなかった結果、異常な細胞を排除出来ず、それが無制限、無秩序に増殖した結果だという考え方から、免疫を回復させて、患者自身の力でがんを制圧するという免疫重視の治療も広がっています。がんは部位にかかわらず遺伝子の病気であり、免疫の病気。手術や放射線といった局所治療はともかく、全身治療についてはいずれは部位に関係のない治療になる時代になるかもしれません。

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