2022-03-23
がん遺伝子パネル検査は、もっと早い段階で行う方向へ
がんになったらまずは遺伝子の変異を調べて、それに応じた治療を行うのが理想です。
がん遺伝子パネル検査が保険適用になるのは、標準治療の終了後
がん遺伝子パネル検査が保険適用になり、がんの性質(遺伝子の変異)によって効果のありそうな治療を選択することが出来るようになりました。標準治療は、部位別に確立されており、ガイドラインに沿った治療が行われてきたので、その流れを根本的に変えていくことになります。しかし、実際にはがん遺伝子パネル検査が保険適用になるのは、標準治療が終了した(効果がなくなった)患者や、標準治療が確立されていない希少がんの患者が対象で、あまり多くの患者に対して実施出来ていません。特に標準治療が終了した後では、仮に有効な治療が見つかっても、十分な効果が得られないことが多くなります。
コストの圧縮と制度の変更が必要
国立がん研究センターではがん遺伝子パネル検査をもっと早い段階で実施し、適切な治療を行っていこうという研究を続けています。適切な治療を早期に行えば、それだけ治療の効果は上がり、生存率もコストも改善出来るという意図です。これを実現するためには、がん遺伝子パネル検査のコストを圧縮し、より多くの患者が利用出来るようにすることが不可欠です。そして、もうひとつ、有効な治療が見つかった場合、それを保険適用としなければ意味がありません。実際、現状の制度下ではがん遺伝子パネル検査で有効な治療が見つかったにもかかわらず、保険適用外のため、費用を捻出出来ず諦める患者が少なくないのです。
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