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2021-12-10

レンビマとキイトルーダの併用が、欧州で子宮内膜がんと腎細胞がんで適応取得


免疫を回復させるキイトルーダやオプジーボは、免疫を低下させる抗がん剤よりも、免疫を底上げする分子標的薬と併用するほうが、理にかなっているはずです。

レンビマはCTLを増加させる

キイトルーダやオプジーボといった免疫チェックポイント阻害剤は、様々ながんに適応を拡大させていますが、既存の抗がん剤や分子標的薬との併用も進んでいます。まずプラチナ製剤の使用中、または使用後に増悪した根治切除不能で放射線にも不適応の子宮内膜がん、そして進行した成人の腎細胞がんの1次治療について、免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ」と分子標的薬「レンビマ」の併用が欧州で適応となりました。キイトルーダは、がん細胞が免疫を抑制した状態を解除して回復させます。また、レンビマは腫瘍が大きくなっていくための血管新生を阻害する働きがありますが、キイトルーダとの併用は、免疫を抑制するマクロファージを減少させたり、反対にCTL(がん細胞を攻撃するT細胞)を増加させたりと、免疫を底上げするため、それぞれ単独で使用するよりも、相乗効果が出ることがわかっています。実際に治験ではドキソルビシンやパクリタキセルなどの抗がん剤を上回る効果が確認されていました。このところ、免疫チェックポイント阻害剤と抗がん剤(殺細胞剤)との併用が様々ながんに適用拡大されていますが、作用機序から考えれば、骨髄抑制で免疫を低下させる抗がん剤よりは、免疫を回復させる分子標的薬のほうが、相乗効果が期待出来るのではないでしょうか。

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