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2021-10-26

iPS細胞が免疫細胞療法のコストを一変させる


どんな細胞にでも分化出来るiPS細胞は、がん治療の分野でも大きな革新をもたらしそうです。

免疫細胞療法はオーダーメイドだから高額

免疫細胞療法は、患者の免疫細胞を採取し、体外で質と量を強化して、体に戻し、がんを叩きます。がん患者の免疫は抑制されており、それを目覚めさせれば、がんは自力で縮小、消失していくのですが、生死の危険があるくらいの刺激を与えなければ、がん患者の免疫は目覚めません。そこで体外で培養し、活性を上げてやるのです。問題は、免疫細胞療法は患者自身の免疫細胞を使うため、オーダーメイドになり、どうしてもコストが高くなってしまいます。もちろん、それは治療費に反映され、自由診療の目ネキ細胞療法なら1クール数百万円、保険適用になったCAR-Tのキムリアは3000万円以上です。

既製品ならすぐに治療がはじめられる

この問題を解決してくれそうなのがiPS細胞です。あらかじめ健常者のiPS細胞を採取し、他人の体内でもがん細胞を攻撃出来るよう遺伝子を導入したNK細胞やT細胞を大量生産しておくのです。オーダーメイドでなければコストは劇的に下がります。また、既製品なので時間を争う患者に対して、すぐに治療が開始出来るというメリットもあります。現状の免疫細胞療法は、患者の免疫細胞を採取して培養するのに、数週間が必要です。国内外で幾つもの企業が、iPS細胞を活用した免疫細胞療法に取り組んでいます。

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