2021-04-16
BNCTに使われる新薬が、先駆け審査指定制度の対象に
BNCTが、光免疫療法に続き、先駆け審査指定制度で迅速に承認される可能性が出てきました。
中性子とホウ素でがんを狙い撃つ
中性子とホウ素を利用したBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は、がん細胞を狙い撃てる新たな放射線療法として注目されています。がん細胞が取り込みやすく加工したホウ素をあらかじめ投与してから、中性子線を照射すると、エネルギーが発生し、がん細胞を内側から破壊します。そのエネルギーは細胞1個を破壊する大きさなので、ホウ素を取り込んでいない正常細胞には影響を与えません。このホウ素を加工したB-10が、画期的な新薬の承認のための審査を優遇する先駆け審査指定制度の対象になりました。手術出来ない再発・局所進行の頭頚部がんに対して承認を目指しています。頭頚部は重要な器官が集中しており、手術が困難な部位です。また、手術による容貌の変化はQOLに大きな影響を及ぼします。効率よくがん細胞を狙い撃てるBNCTには期待が寄せられています。同様のメリットがある光免疫療法も、先駆け審査指定制度の対象になり、手術出来ない再発・局所進行の頭頚部がんに対して異例の早さで承認され保険適用となっています。
関連記事