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2017-10-10

がん治療薬ではじめてバイオシミラーが承認される

 

医療費が国の財政を圧迫する中、薬価の高騰が問題視されていますが、がん治療薬の中でもベストセラーのリツキサンのバイオシミラーが承認されました。

高価なリツキサンの7割の薬価で同等の効果が
リツキサンは、免疫細胞の一種であるB細胞ががん化して発症する非ホジキンリンパ腫などに使われる分子標的薬です。がん化したB細胞の多くに見られるCD20という抗体に結合し、がん細胞の増殖を防ぎます。B細胞性の非ホジキンリンパ腫にはよく効くため、世界的にはベストセラーとなっていますが、その要因として高価であることも関係しています。これは、リツキサンが細胞から作られるモノクローナル抗体という薬で、製造コストが高いことが原因なのですが、現在のがんの新薬はこのような抗体医薬品が主流となっており、薬価はどんどん高騰する一方です。因みに薬価が高いと批判されたオプジーボもそうです。薬価の高騰に歯止めをかけることが課題になっている中、リツキサンの7割の薬価で同様の効果があるバイオシミラー「KHK」が、厚生労働省から製造販売の承認を受けました。がん治療薬のバイオシミラーが承認されるのははじめてになります。

バイオシミラーとジェネリックの違い
バイオシミラーは先発製品の特許が切れた後に発売されるバイオ医薬品のことです。ジェネリック医薬品との違いは、バイオ医薬品は低分子医薬品とは異なり、成分の構造が複雑で大きく、公開された先発製品の技術をなぞるだけでは、全く同様の成分で製造することは困難だということです。かなりの部分を独自で開発する必要があり、承認に際してのハードルの高さは新薬に準ずるといってもいいでしょう。当然、大きなコストも伴いますが、ある程度の技術を流用出来ることで、圧縮出来るコストや時間は相応にあります。現在のゼロからの新薬開発はそれだけ膨大なコストがかかるということなのです。

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