2019-04-17
がんの新薬開発には膨大な費用がかかる
オプジーボの生みの親である本庶佑博士が、特許料が安過ぎると、販売を行う小野薬品工業を批判しています。
オプジーボの特許料は相場の5分の1以下
オプジーボが大ヒット商品となった小野薬品工業を、その開発には欠かせない免疫チェックポイント「PD-1」を発見した本庶佑博士が、売上に対する特許料の比率が小さ過ぎると批判しています。現在の契約では1%以下だそうですが、ライセンス契約を結んだ当時、法務に明るくなかっため、欧米であれば通常は5~10%が相場であるはずが、極めて低い数字になったということです。とはいえ、当時はがん治療薬には未参入であった小野薬品工業も、1000億円程度の売上に対して数百億円もの投資を行っており、社運を賭けた開発であったことがうかがえます。そして、小野薬品工業自体も単独での開発は断念し、最終的に製品化したのは、欧米のメガファーマでした。
がんの新薬開発はメガファーマでなければ不可能
契約を結んでいれば、それは納得した上での合意となります。これについては特許料の引き上げを求める本庶博士と小野薬品工業の交渉次第です。しかし、この経緯からわかるのは、がん治療薬の開発にかかるコストの凄まじさでしょう。現在では世界での承認を前提にすると、1兆円近くなるケースがあるとまでいわれ、メガファーマでなければ参入は不可能な分野になっています。もちろん、巨額な開発費は薬価に反映されます。オプジーボ、そして間もなく保険適用となるキムリア……。数千万円が当たり前の時代になったのです。
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