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2017-06-26

肺腺がんに対するがんワクチンの治験が開始

 

川崎医科大学付属病院で肺腺がんの進行した患者に対して、独自に開発したがんワクチンの治験が行われることになりました。

免疫細胞ががん細胞を攻撃しやすくする
がんワクチンは、がん細胞に特異的に発現している蛋白質を、抗原として利用して、免疫細胞ががん細胞を攻撃しやすくします。患者自身のがん細胞から作ることもあれば、一般的にがん細胞に発現することが多いといわれるものを使うこともあります。また、樹状細胞を使う免疫細胞療法は、患者から採取した単球を、樹状細胞に成長させ、がん細胞と一緒に培養することで認識させるという考え方なので、がんワクチンのひとつといえるでしょう。

肺腺がんの3~4割に発現するXAGE1が抗原
川崎医科大学付属病院では肺腺がんの患者に対して独自に開発したがんワクチンの治験をはじめることになりました。このがんワクチンは肺腺がんの3~4割に見られるXAGE1を抗原として開発しています。これに免疫が反応する場合、余命を延長する効果があることは、既に確認されています。欧米のがん治療は既に分子標的薬など免疫重視になっていますが、我が国ではいまだに抗がん剤が主流です。オプジーボの登場以来、免疫の回復ががん治療の鍵であるということが認識されるようになりましたが、この治験の結果にも期待したいところです。

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