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2016-11-08

オプジーボの小野薬品工業、中間決算で過去最高益

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薬価の高さが懸念されている免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」ですが、開発した小野薬品工業が半期決算としては過去最高となる利益を計上しました。

オプジーボの売上は30億円から533億円に
免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」を開発した小野薬品工業が、2016年度の中間決算を発表しました。オプジーボ関連では前年度同期に30億円であった売上が533億円と急増、海外での販売によるロイヤルティーも22億円から87億円と急増。これにより売上は67.5%増の1177億円、純利益はほぼ倍増の231億円となり過去最高益となりました。年間でも最高益を更新することは間違いないと見られています。

小野薬品工業は儲け過ぎではないかという批判
従来の抗がん剤とは全く違う仕組みで効くということで話題となったオプジーボ。しかしながら、昨今の話題は、オプジーボの使用がこのまま右肩上がりで増えていけば、年間3500万円を超える薬価が、いずれ財政を圧迫するのではないかという懸念です。また、我が国でのオプジーボの薬価は海外に比べて数倍と高く、製薬会社は儲け過ぎなのではないかという批判が出ているのも事実です。このような価格差が生じた経緯については、10月20日の記事「海外とは数倍もの価格差があるオプジーボ」で解説しています。

薬価を決める段階から、柔軟な対処は出来ないのか
薬価が高いとの批判を受けて、国は本来の薬価改定の時期である2018年よりも、前倒しで引き下げようとしていますが、今回の好調な業績がその流れにさらに拍車をかけることになりそうです。とはいえ、オプジーボの薬価が高くなったことには経緯があります。最初に患者数の少ない悪性黒色腫を対象に健康保険適用となったからです。がん細胞に邪魔されている免疫細胞の働きを活発にするというオプジーボの作用機序を考えれば、ほかのがんに効くことは予測出来ても、承認はひとつひとつのがんに対してになります。患者の少ないがんであれば、開発費の回収のために割高になってしまうのです。しかし、薬価引き下げに柔軟に、悪くいえば場当たり的な対処が出来るなら、そもそも薬価を決める段階で、治験から保険適用までの流れがもう少し柔軟にならないかと感じてしまいます。

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