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2016-10-26

がんを凍らせる負担の軽い手術


がんは切る、あるいは放射線などで焼くというのが、従来の局所療法でした。技術は進歩し、体に優しい「凍らせる」という治療が行われるようになりました。

Ice pattern on winter window

再発・転移の点からも手術は軽いほうがよい
がんの手術は日進月歩しています。かつては患部を切開して、患部を切除するしかなかったのが、腹腔鏡や胸腔鏡などが登場したことで、小さな穴から器具を挿入して、大きな傷をつけることなく手術出来るようになりました。早期の大腸がんなどであれば、内視鏡による検査で発見次第、切除することも出来ます。手術の程度が軽ければ、患者への負担は小さく、予後によい影響を与えます。目に見える腫瘍を取り去ることが出来ても、再発や転移を考えると、細胞の単位で飛び散ったがんが問題になります。手術で炎症が起きると、がん細胞は刺激され、再発や転移のきっかけになるため、手術は小さければ小さいほど望ましいのです。

急速に凍結・解凍することで、がん細胞が死滅
新しい手術の中で注目したいのが、がんを凍結させるという治療です。内部に液体窒素を流し込んで-185℃まで冷却した針を、患部に刺して凍結させます。凍結させたら今度は針にヘリウムガスを流し込んで、20℃まで温めて解凍。急速に超低温で凍結・解凍することで、がん細胞が死滅するというわけです。部位によって多少のやり方の違いはありますが、手順は概ね以上になります。腎がん、膵がん、前立腺がん、子宮筋腫などが対象になります。1~2日の入院で済み、健康保険が適用されるので、費用は入院等の費用を含めても30万円前後。もちろん、高額医療費の対象になり、費用面での負担は比較的軽いといえます。米国では既に多くの部位で行われており、国内でも国立がん研究センターなどで受けることが出来ます。

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