Home › がんと闘う › 【がん医療考現学】がんと周辺の話題を辛口に › 動物実験と臨床試験の大きな違い 2018-02-06 動物実験と臨床試験の大きな違い 開発中の新薬が動物実験で目覚ましい効果があったと聞くと、どうしても期待してしまいます。しかし、それが人の体でも同じような結果になるとは限りません。 移植されたがんは異物として攻撃される がんに限らず新薬はまずマウスなどの動物で効果や安全性が試され、その後、臨床試験が行われます。ヒトのがんを移植したマウスに、開発中の新薬を投与し、がんが消えたり縮小したりすると、期待の新薬が登場するかもしれないなどと報道されます。しかし、これが臨床試験でも同じような結果になるとは限りません。がん細胞は患者本人の体内以外の環境では異物となります。移植された先の環境では免疫から攻撃を受けるため、移植されたがん細胞は簡単には生き延びることが出来ません。がんが消えたり縮小したりするのは想定されることです。動物実験で効果があったからといって、それがすぐに有効な新薬の登場を意味するわけではないということです。 00 関連記事 がん死亡率を半減させるムーンショット計画 オプジーボを自由診療で使うリスク 米国のがんによる死亡率は低下傾向 乳がんサバイバーは新たな原発のがんになり易い iPS細胞を使った免疫細胞療法が治験開始 がんをもっと身近に考え、正しく知っておく がん治療による脱毛で保険金が支払われる特約