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2020-09-07

超音波でがん細胞を破壊する新たな治療


がん細胞が、正常細胞とは物理的な特性が異なることを利用して、特定の超音波で狙い撃つ技術が開発されています。

現状の超音波による治療には問題が残る
米国カリフォルニア工科大学などのグループは、超音波でがん細胞を破壊する技術を開発しています。収束超音波によってがん細胞を破壊する技術は、既に開発されていますが、高強度の超音波で患部を加熱するか、造影剤で認識出来るがん細胞に照射するというやり方でした。正常な細胞まで熱によって影響を受けたり、造影剤ではがん細胞の識別が不十分であったりという問題がありました。今回の研究は、がん細胞と正常細胞では物理的な特性が異なり、低強度の超音波に対する反応も違うのであれば、そこを利用して、がん細胞だけを選択的に破壊しようというのが趣旨です。そして、周波数0.5~0.67MHz、照射時間20ms超であれば正常細胞には影響を与えることなく、がん細胞だけを破壊することを突き止めたのです。がん治療の一番の課題は、どうやってがん細胞だけを狙って排除出来るかということです。これが次世代の有力ながん治療になることを期待しましょう。

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