2020-07-07
AIを活用してがん抗原を特定する研究がはじまる
がん治療の難しさは、がん細胞を特定することの難しさにあります。
NECのAI技術を活用
がん治療の一番の課題は、どうやってがん細胞を正常細胞と区別するかに尽きます。がん細胞は患者の体内で作られるため、化学的には異物としての認識が困難です。そこで、がん細胞が遺伝子の変異で生まれた異常な細胞であることに着目し、がん細胞の全ての遺伝情報からがん細胞の目印を特定する試みが行われています。この目印、即ちがん抗原が特定出来れば、がんを狙い撃ちにしたり、免疫を刺激して、この抗原を持つがん細胞への攻撃力を高めたりすることが出来ます。問題は膨大ながん細胞の遺伝情報=ゲノムをどのように解析するかになりますが、愛知県がんセンターでは大手コンピュータメーカーのNECと共同でAI(人工知能)を活用して、効率よくがん抗原を特定する研究を行うことになりました。患者によって異なるがん抗原を迅速に特定出来れば、低コストで効果的な治療の個別化が実現出来そうです。
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