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2024-10-15

婦人科系がんに対する光免疫療法の治験がはじまる

光免疫療法は外陰がん、膣がん、子宮頸がんにとって有効な治療になりそうです。

侵襲が小さく、QOLを損ねない

北海道大学病院は、婦人科系がんに対する光免疫療法の医師主導治験を10月1日に開始しました。局所進行・再発の外陰がん・腟がん・子宮頸がんに対して光免疫療法の安全性・有効性を評価します。レーザー光に反応する物質を、抗体を利用して、がん細胞に取り込ませたところに、レーザー光を照射することで、光化学反応を起こさせ、細胞膜を破壊して、細胞死に誘導します。既に切除不能な局所進行、または局所再発の頭頸部がんに対して薬事承認されていますが、婦人科系のがんに対しては世界初の臨床試験になります。

外陰、腟、子宮頸がんの国内での年間罹患数は、それぞれ250人、150人、1万人前後です。患部が体表に近いことから、レーザー光照射は比較的容易です。また、光免疫療法は、抗EGFR抗体によって感光性の物質をがん細胞に送り込みますが、これらのがんの多くはEGFRが高発現になっており、特に子宮頸がんではEGFRが高発現になる程、予後が悪化します。再発・進行の外陰・腟・子宮頸がんに対する既存の治療法は、必ずしも十分な治療効果をもたらしておらず、時にQOLを大きく損ねるため、EGFRを標的とし、侵襲の小さい(がんを狙い撃てる)光免疫療法に期待が寄せられています。

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