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2017-07-13

怪しい治療もある代替医療、真っ当な補完医療

代替医療と補完医療。両者の違いをご存知でしょうか。何かと怪しげなイメージのある代替医療もありますが、通常の医療、がん治療でいえば標準治療だけでは進行がんの克服は困難なことは事実です。

通常の医療だけではがんなどの難病を克服出来ない
代替医療と補完医療。混同している方が多いのですが、このふたつは同じではありません。科学的な理論に基づいた通常の医療が、病気や症状を対象として考え、それを解消しようとするのに対して、代替医療では体全体を対象として、その調和によって健康を回復させようとします。代替医療が求められる背景には、慢性疾患やがんなどの難病はなかなか通常の医療だけでは克服出来ないことがあります。鍼灸や漢方、アーユルヴェーダなどの歴史のある東洋医学なども含まれれば、いささか理論や根拠に疑念を持たざるをえない治療もあり、玉石混交といわざるをえません。

先進医療や先端医療は補完医療
これに対して通常の医療の隙間を埋める治療が補完医療です。代替医療の中でも科学的な根拠があり、効果が認められている治療は補完医療といっていいでしょう。漢方は成分を科学的に検証した上で、一部は通常の医療に組み込まれています。また、国民皆保険の我が国では通常の医療といえば保険診療を意味しますが、まだ保険適応となっていない先進医療、先端医療も補完医療といえるでしょう。

進行がんには標準治療と補完医療で
進行がんについては標準治療だけで完治させることは困難です。その柱となる手術、放射線、抗がん剤の三大療法ではがん細胞を完全に排除出来ないため、再発や転移の可能性が残ります。先日、乳がんで亡くなった小林麻央さんは、診断後も標準治療を受けずに、代替医療に頼っていたと報道されています。論調としては標準治療を受けなかったのが問題であり、標準治療以外は全て出鱈目な治療であるという印象です。確かにがん治療の基本はまずは標準治療です。がんを叩く力が一番強いからです。しかし、効果があるだけに副作用もあります。また、前述の通り進行がんに対しては限界があります。そういったことを考慮して、真っ当な補完医療を組み合わせていくのが、進行がん克服の基本です。

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