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2023-10-10

PRPA阻害剤

DNAは紫外線や感染による炎症など様々な要因で常に損傷する可能性があります。これを修復する仕組みのひとつがPRPAという遺伝子です。DNAは鎖が二重螺旋になった構造ですが、1本の鎖が切断されている損傷であれば、PARPが修復を行います。2本とも切断されている場合にはBRCAという遺伝子などが修復を行います。DNAの損傷をそのままにしておくと、細胞が分裂するにつれて、がん化が進んでいきます。PRPA阻害剤は、1本の鎖が切断された状態からの修復を出来なくするため、やがて細胞分裂の際のDNAの複製において2本の鎖が切断された状態に至ります。卵巣がんの多くではBRCA遺伝子に異常があり、この場合の修復も行えないため、細胞死に至ります。この仕組みを利用して、卵巣がんの治療に用いられているのが、リムパーザなどのPRPA阻害剤です。

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