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2023-08-09

細胞競合でがんを制圧する


私たちの体内では生きるために細胞同士が競争しています。

体に備わっている生きるための仕組み

自然界では生物の個体が生存競争を繰り広げて、強いほうが生き残ります。これと同様に多細胞生物の体内でも細胞と細胞が競合し、適応度の高い細胞が低い細胞を排除します。この現象は細胞競合と呼ばれていますが、変異した細胞を排除することで、がんの発症を抑制したり、不良な細胞や衰えた細胞を排除することで、老化を抑制したりしていると考えられます。京都大学の藤田恭之教授らは、この細胞競合を利用して、がんを早期に発見したり治療したりする研究に取り組んでいます。がんは、私たちの体内で作られます。標準治療のように外的な働きかけによる治療が行き詰まる中、免疫のように本来、私たちの体に備わっている力で、がんを制圧する方向に舵は切られつつあります。この細胞競合も、私たちの体に備わっている生きるための仕組みといえるでしょう。

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