2023-01-27
がん幹細胞に化学療法が効きづらい理由
化学療法は休眠状態のがん細胞には奏効しません。
がん幹細胞は再発や転移を引き起こす
幹細胞は様々な細胞に分化する元となる細胞ですが、がんにおいてもがん幹細胞が存在し、再発や転移の元凶になるといわれています。がん幹細胞は通常の細胞よりも分裂するペースが遅く、時には休眠状態になります。抗がん剤は、がん細胞を狙って攻撃しているわけではなく、分裂している細胞のDNAを傷害するため、休眠状態の細胞には攻撃が及ばないのです。また、がん細胞の異常な増殖に関わる蛋白質を目印に作用する分子標的薬においても同様です。治療によってがんが消えたように見えても、細胞の単位で散らばっているがん細胞を排除するために、化学療法が行われます。しかし、がん幹細胞はその化学療法すら逃れて、再発や転移のきっかけになるのです。
関連記事