2022-12-15
mRNAを使ったがんワクチンが臨床試験で奏効
新型コロナウイルスのワクチンが短期間で実用化出来た背景には、がんワクチンの開発がありました。
がん細胞の目印を認識させる
モデルナとメルクが開発するがんワクチンが、免疫チェックポイント阻害剤と併用することで、薬単独の場合よりも死亡や再発のリスクを44%減らせることが、臨床試験で明らかになりました。がんは、免疫が十分に機能しないことで、異物であるがん細胞を排除するしきれなかった結果、大きな腫瘍になっていきます。がん細胞は遺伝子の異常で、無秩序な増殖を繰り返しますが、その異常は患者ごとに千差万別です。そのような遺伝子の異常を分析し、それによってがん細胞に特異的に発現している蛋白質を、患者ひとりひとりに応じて開発したmRNAで合成させ、免疫細胞ががん細胞の目印を認識して攻撃するように誘導するのが、このワクチンの仕組みです。実は、新型コロナウイルスのワクチンが短期間で開発出来たのは、以前からがんを対象にmRNAワクチンの開発が行われてきたことが背景にあります。
関連記事