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2022-09-26

新たな光免疫療法で再発した乳がんを完全に消失


光免疫療法の課題は、深部まで効果が及ばないため、再発が多くなることです。

再発したがんには再度、光免疫療法を実施

光免疫療法は、抗体を利用して、がん細胞に光(近赤外線)に反応する色素を送り込んだ後、患部に光を当てることで、がん細胞を狙い撃つことが出来ます。既に頭頸部がんに対して保険適用になっていますが、手術が困難な部位のがんに対して有効です。しかし、光が届かないところにがんが残り、再発が起こることが課題となっていました。東京大学アイソトープ総合センターではマウス実験において新たな光免疫療法によって再発した乳がんを完全に消失させることに成功しました。この光免疫療法ではがん細胞の表面に発現する蛋白質「HER2」に結合する抗体ミメティクス薬剤と、光を当てると、細胞を傷害する一重項状態の酸素を発生するAx-SiPcを結合させたたFL2という薬を投与します。HER2は進行の速いがんに発現することが多く、FL2は投与後、がん細胞に集まっていきます。ここに体の深部まで到達する光を当てると、がん細胞は破壊され、がんを狙い撃つことが出来るのです。実験では、ヒトの乳がん細胞を移植しがんが出来たマウスに、初回の治療を行って、がんが縮小させ、その後に再発した段階で、2回目の治療を行ったところ、がんは完全に消失しました。また、患部の周辺には免疫細胞が集中していることも明らかになっています。恐らくはがん細胞が破壊されることで、免疫が刺激された結果でしょう。

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