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2022-09-05

「がんと闘うな」は前世紀の主張


近藤誠医師のベストセラー『患者よ! がんと闘うな』が出版されたのは、前世紀の1996年のことです。

がんは放置せよと推奨

『患者よ、がんと闘うな』などの著書で知られる近藤真医師が死去されました。1996年に出版されベストセラーとなりましたが、がんには放置しておいても命に別状のない「がんもどき」と、標準治療では対処出来ないがんがあり、後者は治療をしても副作用で苦しんだり余命を縮めたりするだけなので、いずれにしても「がんと闘うな」と放置することを推奨したのです。

近藤誠医師の功罪

慶應義塾大学の現役医師が、標準治療の限界を訴えて、特に抗がん剤の副作用の弊害を知らしめたことは、大きな意味があったかと思います。反面、近藤医師の指導で放置した結果、症状を悪化させたり、余命を縮めたりした結果、トラブルも数多くありました。

がん治療は日進月歩している

がんは人それぞれ異なる病気です。同じがん、同じステージでも、同じ治療が奏功する場合、しない場合があります。また、近藤医師ががんを放置せよと推奨しはじめたのは1990年代の半ば。それから30年近くが経過し、様々な新しい治療が登場し、中には生存率が飛躍的に改善したがんさえあります。諦めず最後まで闘うのも、患者として現代の選択ではないでしょうか。

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