2022-08-22
樹状細胞ワクチンのテラが破産
免疫のいう仕組みの伝達係である樹状細胞に、がん抗原を学習させて、患者に投与するのが樹状細胞ワクチンです。
医師創業の会社でははじめて上場
樹状細胞ワクチンの開発や培養を手掛けていたテラが、8月5日に破産手続きの開始決定を受けました。免疫細胞には幾つかの種類がありますが、樹状細胞は攻撃対象となる異物の抗原を認識すすると、それをT細胞などに対して排除するよう伝える抗原提示を行ういわば伝達係です。樹状細胞ワクチンは、患者の単球という免疫細胞の元になる細胞を採取して、樹状細胞に育て、それに対してがん抗原を認識(学習)させた状態で、体内に戻し、免疫を刺激します。また、同社の樹状細胞ワクチンは、人工のがん抗原であるWT1を使用しており、患者自身のがん組織からがん抗原を採取することが困難な場合でも対応が可能でした。東京大学発のベンチャーとして注目され、医師が創業した会社としては、はじめて上場を果たしましたが、近年は業績が低迷した上、関係者が株価を不当に吊り上げたなどの不祥事も続いていました。
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