2022-05-17
エンハーツが米国で乳がんの二次治療で承認
抗体薬物複合体は既存の分子標的薬や抗がん剤の組み合わせで作られることが多く、双方の性質を活かしています。
抗がん剤を患部に効率よく送り込む
抗体薬物複合体「エンハーツ」が米国で乳がんの二次治療薬として承認されました。対象となるのは、転移・再発で抗HER2療法を受けたHER2陽性で手術不能の乳がんです。抗体薬物複合体は、抗体(分子標的薬)を利用して、低分子の抗がん剤を患部に効率よく送り込む新しいタイプの抗がん剤です。従来の低分子の抗がん剤は、分裂中であればがん細胞も正常細胞も区別せずに叩くため、どうしても副作用の問題がありましたが、抗体と結合させることで、それを補っています。新薬ではありますが既存の抗がん剤や分子標的薬を利用するため、開発がスムーズになる長所もあります。エンハーツはHER2という蛋白質に作用するトラスツヅマブという分子標的薬を利用していますが、ハーセプチンという製品名で乳がんには長く使用されてきました。
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