toggle
2021-09-17

どうして決定的ながんワクチンは開発されないのか?


感染症と同じようにがんに対してもワクチンは開発されています。

ワクチンは免疫にあらかじめ異物の目印を学習させる

新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいます。ワクチンは、体内の防御システムである免疫に、異物の目印を抗原としてあらかじめ認識させておくことで、ウイルスや細菌が侵入してきた際に、迅速に排除し、感染症を予防したり、重症化を防いだりする働きがあります。一方、がんもまた免疫と深い関連のある病気です。体内で発生したがん細胞を、免疫が異物として排除出来なかった結果、分裂と増殖を繰り返して、大きながんに育っていくからです。そして、免疫を刺激すること、がんを治療するワクチンは、様々なタイプが開発されていますが、いずれも決定的な効果を示すに至っていません。

がんは抗原を特定するのが困難

実際、免疫が十分に回復すれば、がんはたちまちその攻撃を受けて縮小・消失してしまうことがわかっています。しかし、がん細胞は生き延びるために、あの手この手で免疫を抑制しています。まずはこの免疫抑制を解除しなければならないのですが、例えば生死に関わる高熱が続くなど、治療そのものが危険になるくらいの刺激が求められます。また、がん細胞は絶えず変異し、抗原となる蛋白質やペプチドが特定しづらいという問題もあります。そして、何よりがん細胞は体内で発生するため、がん細胞に特異的に発現する物質はあっても、それは正常細胞にも存在しています。がん細胞のみを特定する抗原はいまだに見つかっていないのです。

Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0
関連記事