2021-09-06
西郷輝彦さんが受けている前立腺がんのPSMA治療とは?
西郷輝彦さんが受けている前立腺がんの治療は、点滴による放射線治療です。
PSMA治療は国内では未承認
前立腺がんは比較的進行が緩やかですが、中には去勢抵抗性前立腺がんといって一般的なホルモン治療の効果がなく、転移を起こしやすいがんの場合があります。俳優の西郷輝彦さんは2011年に前立腺がんと診断され、前立腺を切除する手術の末、一度は寛解したものの、2017年に再発。去勢抵抗性前立腺がんで放射線や抗がん剤による治療の効果は思わしくありませんでした。そこで、豪州に渡り、日本ではまだ承認されていないPSMA治療を受けたところ、1回目の治療では結果が出なかったものの、2回目の治療でがんが消えたのです。もちろん、まだ予断は許さない段階ですが、標準治療をやり尽くした後の西郷さんにとって、大きな希望になったことでしょう。この治療は、去勢抵抗性前立腺がんの細胞表面に特異的に発現する分子を抗原とする抗体を利用して、放射性物質を点滴で送り込むことで、転移巣を含めたがん細胞を狙い撃ちします。国内での承認を取得する上で、高いハードルとなっているのが、この放射性物質の取り扱いですが、アスタチンなど放射性医薬品の前例も出来ており、日本で治療が受けられる日はそんなには遠くないかと思われます。
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