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2021-07-14

NTRK陽性の固形がん治療薬「ラロトレクチニブ」が発売


がん治療は部位別ではなくがんの性質からアプローチする方向に進んでいます。

特定の遺伝子変異があれば、様々ながんに使える

7月7日、NTRK遺伝子陽性の固形がん治療薬「ラロトレクチニブ」が発売されました。既に3月に製造販売の承認を取得していました。何らかの原因でNTRK遺伝子とその他の遺伝子が転座し接合された結果、NTRK融合遺伝子が作られます。この遺伝子から合成されるTRK融合蛋白は、発がんやがんの進行に深く関わっています。ラロトレクチニブはここに作用する分子標的薬ですが、画期的なことは、従来のように部位別のがん治療薬ではなく、様々な部位のがん治療薬として承認されていることです。部位別にガイドラインが確立された標準治療では、なかなかがんで亡くなる方が減少しない中、がんの性質(遺伝子の変異)から治療に取り組むゲノム医療が推進されています。このラロトレクチニブの承認もそのひとつといえるでしょう。

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