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2017-11-14

がん細胞への栄養補給を抑える物質が発見される

 

がんは新たな血管を作り、そこから栄養を吸収して大きくなっていきます。その栄養供給を妨げる物質が発見され、新たな治療の端緒になるのではないかと注目されています。

新たながん治療の端緒になるのではと期待
東京大学の研究グループは、がん細胞への栄養供給を抑制する物質を発見したと発表しました。同グループでは皮膚がんなどをマウスに移植し、その血管内細胞を観察したところ、L-プロスタグランディンDSという酵素が正常細胞に比べて10倍も増えていることを確認。ヒトのがん細胞でも同様のことを確認し、その原因ががん細胞の炎症であることも解明しました。そして、L-プロスタグランディンDSが欠損したマウスに、皮膚がんを移植したところ、通常の倍の速度でがん細胞が増殖し、L-プロスタグランディンDSが産生する生理活性物質「プロスタグランディンD2」が減少。一方、プロスタグランディンD2の受容体を刺激する物質を投与した場合には、がん細胞の増殖は抑えられたのです。さらに研究を進めたところ、L-プロスタグランディンDSの欠損はがん組織の血管の新生を活発にし、がん細胞への栄養供給を増加させることが判明。また、プロスタグランディンD2はこれらを抑制するので、受容体を刺激することで、がん細胞の増殖を食い止められることもわかりました。この研究から新たな治療を開発出来るのではないかと、期待が寄せられています。
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