2021-02-02
免疫チェックポイント阻害剤投与中、新型コロナウイルスの脅威は高まるのか?
新型コロナウイルスによる感染症で最も恐ろしいのは、
感染による肺炎を見落とすリスクも
日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会は、共同で「 がん診療と新型コロナウイルス感染症 がん患者さん向けQ&A」の第3版を公開しました。 そこではがん患者は感染し易いのか、感染リスクを考慮し、 治療を延期してもよいのかなど、様々な疑問に回答しており、 その中で免疫チェックポイント阻害剤についても言及しています。 免疫チェックポイント阻害剤は、 がん細胞が免疫細胞にかけたブレーキを解除するため、 免疫全体の微妙なバランスが崩れる可能性があります。 新型コロナウイルスの感染症で恐ろしいのは、 免疫が暴走するサイトカインストームという状態を招く可能性があ ることです。また、副作用として肺炎を起こすことがあり、 感染による肺炎であると診断出来ず、 適切な治療が遅れる場合もあり得ます。Q& Aの中では重症化した報告もあれば、 重症化とは関係ないとの報告もあるということで、 特に使用を控えることは推奨していません。いずれにせよ、 主治医と相談しながら、遅らせてもよい治療は延期、 一刻を争う場合は、副作用やリスクを考慮した上で、 感染対策を徹底した上で、治療を実施するということでしょう。
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