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2021-02-01

BMSが、京都大学の免疫研究施設建設に55億円を寄付


オプジーボは製造・販売するBMSが、オプジーボの生みの親といえる本庶佑博士の施設に巨額の寄付を行うことになりました。

オプジーボは数年で売上を急増させた
メガファーマの一角であるBMS(ブリストル マイヤーズ スクイブ)が、京都大学のがん免疫総合研究センター本部棟の建設資金として55億円を寄付することになりました。この施設のセンター長は、免疫チェックポイント「PD-1」の研究でノーベル賞を受賞した本庶佑博士で、この研究が登場から数年でBMSの主力製品のひとつとなった免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」を生み出しました。従来の抗がん剤ががん細胞を直接傷害するのに対して、オプジーボは、がん細胞の免疫細胞に対する抑制を解除し、免疫の力でがんを叩きます。オプジーボを含め、幾つかの免疫チェックポイント阻害剤が既に多くの種類のがんの標準治療になりました。

巨大製薬会社でなければがんの新薬開発は不可能
オプジーボは当初、日本の小野薬品工業が開発を行っていましたが、最終的にはメガファーマの手で実用化されています。この背景にはがんの新薬の開発コストが高騰し、一般的には大手と思えるような会社でも、投資出来るだけの体力がないことがあります。グローバルで治験を行えば、数百億~数千億円の投資。近年、武田薬品工業が国内では最高額となる6兆8000億円のM&Aで、アイルランドのシャイアーを買収し、売上3兆3000億円(世界7位)となりましたが、これが国内で唯一のメガファーマといえます。こうした再編が今後も進むでしょう。

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