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2020-02-12

希少がんは保険診療では治療に限界がある

標準治療が確立されていない希少ながんでは、手術はしても抗がん剤などが使えない場合がよくあります。

希少がんの手術後は、経過観察が多い
肉腫など患者数の少ないがんを希少がんといいます。保険診療で行われる標準治療は、部位や進行の度合いに応じてガイドラインが定められていますが、希少がんに関しては標準治療が確立されていない場合が多くなります。従って、手術でがんを取ることは出来ても、その後は経過観察で積極的な治療が行われない場合があります。がんの種類や部位別に治療が決められていることの弊害といえるでしょう。

目に見えるがんを手術や放射線で消すことが出来ても、がん細胞が少しでも残っていれば、そこから再発や転移は起こります。通常、がん細胞が散らばっていることが考えられる場合、手術後には再発や転移に備えて、全身療法として抗がん剤などを使用する場合が多いのですが、希少がんではそのような治療が行われないことが多いのです。

自由診療を組み合わせて積極的に
2018年には免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ」が、がんの部位を問わず、一定の遺伝子の変異があれば、保険診療で使えるようになりました。これは希少がん、或いは原発部位を特定出来ないがんには、意味のある適応拡大ですが、一定の遺伝子変異があるのは、全体から見ればほんの一部でしょう。こうした希少がんの場合、経過観察の間にも自由診療などを組み合わせて、積極的な対処をすることが、再発・転移を防ぐ可能性を高めます。

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