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2016-12-06

スイスでは代替医療が医療保険適用

ホメオパシーなどの代替医療が医療保険の適用になっている国があります。スイスでも試験期間を経て来年からは本格的な適用が始まります。

ホメオパシーは欧州では浸透している民間療法
世界に目を向けると、代替医療が医療保険の対象となっている国があります。そのひとひとつが英国では既に医療保険の適用となっているホメオパシーです。そして、スイスでも今年の3月、ホメオパシーなどの代替医療に対して同等の扱いをすることが発表され、来年からは本格的に医療保険が適用されます。ホメオパシーは欧州ではよく知られた民間療法ですが、病気や症状を引き起こす原因となる物質を、極度に希釈し、それを染み込ませた砂糖の球を飲むことで、自然治癒力を刺激するという理論に基づいています。

スイス国民の声を受けて、ホメオパシーは医療保険の対象に
スイスでは1999年にホメオパシーなどの代替医療を試行期間として医療保険の対象としました。6年後、医薬品業界の圧力や試行期間中に効果を証明する法的要件を満たせなかったことにより、一旦は医療保険の適用を外されます。しかし、ホメオパシーはスイスでは幅広く支持されており、2009年に行われた国民投票の結果、2012年からは再びホメオパシーなどの代替医療は試験的に医療保険の適用となりました。その試験期間を経て来年から本格的に適用となるわけです。

代替医療を勧めるなら、科学的根拠は不可欠
標準治療では進行がんを治せないという現状では、様々な選択肢を加えていく必要があります。もちろん、代替医療には有効な治療があり、多くの患者が受けやすくなるよう、医療保険の対象とすることには意味があるでしょう。しかし、今回のスイスの決定は、ホメオパシーの科学的根拠が証明されたからというより、世論を尊重した結果という感が拭えません。3月のプレスリリースでは有効性や妥当性、コストの面で条件を満たすかどうかは明らかでないとコメントしています。巨額な費用と長い時間をかけてエビデンスを出せとまではいいませんが、代替医療を推奨する上では、最低限の科学的根拠は必要ではないでしょうか。

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