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2017-09-12

乳がんの手術が不要かどうかを判別する遺伝子を特定

乳がんの治療は、手術出来ればまずは手術になります。しかし、出来れば乳房を切除することなく治したいというのが、女性の本音ではないでしょうか。

化学療法で乳がんが消失した患者の共通点
乳がんは、女性ホルモン(プロゲステロン、エストロゲン)の影響で増殖するか、HER2という蛋白質を発現しているかなど、がん細胞の性質によって幾つかのタイプに分けられます。そのうち、HER2が陽性で女性ホルモンが陰性の乳がんは、全体のうち、10~15%を占めますが、このタイプの患者に対するある臨床試験でHER2陽性のがんに効果的な分子標的薬と抗がん剤を併用したところ、半数でがんが完全に消失していました。国立がん研究センター東病院の研究チームはその検証においてがん関連遺伝子「HSD177B4」を特定、この遺伝子が活性化していない患者は、がんが完全に消失したことも突き止めたのです。

手術を迷っている乳がん患者の一助に
今後、この遺伝子をマーカーとして、手術が不要かどうかの餞別が可能かどうかの臨床試験が行われる予定です。乳がんの標準治療では手術による切除が可能であれば、まずはそれが推奨されます。しかし、将来の妊娠・出産や精神的な問題で手術を躊躇する方は少なくありません。手術が不要であることを明確にする手法が確立出来れば、迷っている患者にとっては治療を選択する上での一助になるのではないでしょうか。

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