何かと手間のかかるがん検診。部位ごとに受けなければならない面倒さもあり、忙しさにかまけてなかなか受けられない方は多いのでは。
我が国のがん検診の受診率は4割程度
日本人の2人に1人ががんになる以上、まずは早期発見、そして適切な治療を行うことが重要になります。ところが、我が国におけるがん検診の受診率は4割程度といわれ、症状が出てから、検査を受けて、既に進行している場合が少なくありません。がん検診に限らず健康診断は面倒だからと、忙しい生活の中でついつい後回しにしている方は少なくないでしょう。また、バリウムを使った胃の検査など、現状のがん検診がどこまで正確かという問題もあります。
初期がんを含め95%以上の確率で診断可能
そのような状況の中、国立がん研究センターは1滴の血液から13種類のがん(胃がん、乳がん、大腸がん、卵巣がん、食道がん、前立腺がん、膵がん、膀胱がん、肝がん、肺がん、胆道がん、骨軟部腫瘍、神経膠腫)を早期発見出来る方法を開発しました。細胞から血液に分泌されるマイクロRNAが、正常細胞とがん細胞では異なることを利用し、初期のがんを含め95%以上の確率で診断が可能です。間もなく臨床試験がはじまり、3年以内に事業化目指すというこの検査、13種類のがんが診断出来るとなれば、複数の部位で検査を受ける手間も省け、がんの早期発見に大きく役立つのではないでしょうか。