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2017-05-29

超高額なオプジーボの投薬を止めるタイミング

高額な薬価が問題視されているオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤について、国立がん研究センターは適切な投薬期間を探る治験を開始することになりました。現状ではどのタイミングで止めるかは、医師の判断に委ねられています。

オプジーボを止めるタイミングは医師任せ
従来の抗がん剤とは全く異なる作用機序で注目された免疫チェックポイント阻害剤ですが、オプジーボで年間約1750万円、キイトルーダで年間約1400万円という高い薬価が問題になっています。保険診療で使うのであれば、患者の負担には上限がありますが、財政には大きな負担となってきます。新しい薬であり、いつまで、どんな症状まで使うのかが、医師に任されており、使うのを止めるタイミングも問題でした。

オプジーボの止め時を探る治験が開始
国立がん研究センターではこうした状況を受け、オプジーボとキイトルーダの適切な投薬期間を探る治験を、約300人の患者を対象に2年をかけて検証することになりました。いすれの薬も高額であるだけに、免疫が回復して使う必要がないか、効果が見込めないタイミングがわかれば、医療費の抑制になり、患者にとっても副作用のリスクや余計な出費の解消になるでしょう

オプジーボを使う必要がなくなる時期は
しかし、「夢の新薬」と持ち上げられたオプジーボも、作用機序が同様であるキイトルーダも、免疫のほんの一部を回復させる薬に過ぎません。免疫細胞のうち、決して主役ではないT細胞を邪魔しているPD-L1という蛋白質が発現しているがんに対して効果が見込めるだけです。がんは免疫が衰えることで起こる病気ですが、厄介なのはがん細胞はあの手この手を使って、免疫細胞の邪魔をして生き延び、腫瘍を大きくしていくのです。オプジーボやキイトルーダとて延命効果しかない薬です。否定的な意味での止める時期はわかっても、肯定的な意味での止める(もう使う必要がない)時期を明らかにすることは難しいのではないでしょうか。

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