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2017-05-25

「がん」と「癌」、「悪性腫瘍」と「良性腫瘍」

「がん」と「癌」、腫瘍の「悪性」と「良性」。医学的にはどのように違うのかを説明します。

上皮に出来ると「癌」、全ての総称が「がん」
メディアが「がん」について書く時、「がん」「ガン」「癌」など様々な表記があります。基本的にはその媒体や書き手の自由ですが、医学的には「がん」と「癌」では違いがあります。がんは発生する場所によって区別されます。最も多いのは胃がん、肺がん、大腸がんなど上皮に出来る場合で、「癌」と漢字で表記する場合は、これらに限定されます。がんにはこれ以外にも悪性リンパ腫など血液のがん、骨や筋肉といった上皮以外の組織で発生する骨肉腫などの肉腫等があります。「がん」と平仮名で表記する場合、これらの全ての総称になります。

悪性腫瘍は浸潤・転移し悪液質を起こす
がんは悪性の腫瘍のことですが、幾つかの特徴があります。正常な細胞は何回か細胞分裂を繰り返すと自然死するのに対して、がん細胞は際限なく増えていきます。周囲の組織に浸潤したり、離れた場所に転移し、新たな腫瘍を作ったりします。また、正常細胞が必要とする栄養を奪って、体力を奪います。これを悪液質といい、患者が亡くなる原因となります。良性の腫瘍は悪性ほど増殖が速くなく、浸潤・転移や悪液質を起こすことはありません。手術で取ることが出来れば、再発などの心配はありません。

脳の腫瘍は悪性・良性の区別をしない
固形がんは通常、発生した部位で「胃がん」「肺がん」「大腸がん」などと呼ばれます。ところが、脳に出来たがんは「脳腫瘍」といって悪性、良性の区別をしません。脳腫瘍は幾つもの種類があり、実は脳腫瘍の約3分の2は良性ですが、脳という場所ゆえに出来た場所によっては良性であっても患者の生命や健康に重大な影響を与えるからです。

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