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2016-09-02

悪性脳腫瘍のウイルス治療、東大が治験を開始

xray image of human head with brain and electric pulses
三大療法の限界が明らかな中、新たな治療法が生み出されています。悪性脳腫瘍に効果のあるウイルス治療もそのひとつですが、その治験がスタートします。
 

がん細胞だけを攻撃するという課題
正常細胞を傷つけることなく、がん細胞だけを攻撃する──これはがん治療における最大の課題でしょう。抗がん剤は分裂中の細胞を攻撃するので、がん細胞だけでなく正常細胞をまで巻き添えにしてしまいます。これが様々な副作用の原因となるのは、既に知られているところですが、この課題を克服しようと、様々な治療が開発されています。ヘルペスウイルスから作られるG47γ
東京大学医科学研究所ではウイルスを利用したがん治療の研究を続けてきましたが、今年の暮れから実用化に向けた治験に入ると発表しました。口唇ヘルペスを起こすウイルスの遺伝子のうち、3つを変化させたG47γというウイルスに、がん細胞を感染させることで、正常細胞には影響なく、腫瘍を縮小・消失させることが出来るそうです。

悪性の脳腫瘍に劇的な奏効例が

同研究所では悪性の脳腫瘍である膠芽腫に対する安全性の検証を主な研究対象にしていましたが、このがんは従来の治療では効果が出にくいことが知られています。過去の学会での発表ではその膠芽腫が劇的に改善したケースが報告されており、治験の結果を注視したいところです。なお、膠芽腫患者を対処とした治験の募集も既に始まっています。
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