2016-08-31
オプジーボの効果を事前に判断する研究が始まる
話題のがん治療薬「オプジーボ」ですが事前に効果の有無を判断する手段がなく、それが一気に使用が増える一因にもなっています。効かない薬は医療費、そして時間の無駄遣いといえます。オプジーボは薬価の高さが批判の対象に
免疫に本来の働きをさせる新しいがん治療薬ということで話題になった免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」。当初は皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)だけが保険適用でしたが、昨年の暮れに肺がんにも使えるようになり、一気に使用が増えましたが、このところはその薬価(年間3000万円以上)から財政への負担が指摘されていました。
オプジーボは効果の有無を予測出来ない
この使用が増えた背景には、オプジーボが話題になったこと以上に、使用する前に効果があるかどうかを判断する手段がないことも挙げられます。日赤医療センターや国立がん研究センターなどの専門医によるグループは、オプジーボがどのような場合に効果があるのか、新規にオプジーボを投与する肺がんの患者を対象に観察し、効果の有無、副作用の程度などから、分析を行っています。
無駄な治療は貴重な時間を無駄にする
夢の新薬のように持て囃されたオプジーボですが、実際に効果があるのは患者の3割程度といわれ、自己免疫疾患などの副作用も報告されています。どんな患者に効いて、どんな患者には効かないかの検証が進めば、無駄な医療費を削減すると同時に、がん治療において重要な「時間」を浪費することが避けられます。早期治療が鉄則のがん治療は、時間との闘い。患者が治療機会を失わないためにも、この研究の成果を待ちたいところです。
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