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2016-10-04

小林麻央さんが助かりたいと堂々といえなかった背景

Silhouette of woman with hands raised into sunset

小林麻央さんがブログで乳がんのステージ4であることを明かし、奇跡を起こして、5年後も10年後も生きていたいと、現在の心境を明かしています。しかし、この気持ちを以前は堂々といえなかったとも綴っています。そこには我が国のがん医療の問題、患者と医師の関係の複雑さがうかがえます。

ステージ4でも助かりたいというのが、患者の切実な思い
歌舞伎俳優・市川海老蔵さんの妻でフリーアナウンサーの小林麻央さんが乳がんとの闘病について近況を報告しているブログで、既にステージ4という最も進行した段階であること、そして根治は難しくても、奇跡を起こして、5年後、10年後も生きていたいという心境を伝えています。一般的にはまず外科的な処置をする乳がんと診断されてから、1年8か月も手術をしなかったことなどから、状況や経過については様々な憶測がありましたが、はじめて本人から状態が語られたことになります。

標準治療のゴールは完治ではなく延命に過ぎない
保険診療の中での標準治療は残念ながら進行がんを完治させることをゴールとしていません。目指しているのはあくまでも延命です。小林さんは、自身がどういう状況であるかを理解していたからでしょう。奇跡を起こしてでも治したいということを、以前は堂々といえなかったとも明かしています。我が国においては医師を「先生」と呼ぶように、いまだに医師と患者との立場には差があります。そして、患者の切なる願いである助かるということを、進行がんの保険診療を行う「先生」は目指していないのです。

Doctor talking with patient about recommendations

免疫細胞療法は保険診療では選択肢にすらならない
標準治療の柱は手術・放射線・抗がん剤の三大療法です。近年、がんが免疫の病気であり、根本的な治療の鍵は免疫であることが周知されつつありますが、免疫療法を三大療法に次ぐ第四の治療と呼ぶことがあるようです。よく話題になるオプジーボも、免疫細胞ががん細胞に邪魔されている状態を打破して、がんを攻撃するので、免疫治療のひとつといえるかもしれません。ただ、数多くある免疫抑制のうち、適合する場合は限られており、オールマイティな免疫治療とはいえません。全てのがんに効果が期待出来るのは、患者の体から免疫細胞を取り出して、外部で増やし、活性の高い状態で戻す免疫細胞療法であり、その中でもがん制圧の主役・NK細胞の量と活性を十分に確保出来ている治療に限られます。この免疫細胞療法は自由診療であり、保険診療を行う主治医に遠慮していては選択肢にすらなりません。

医師に遠慮しなかったから助かったがん患者
リンパ球バンク株式会社の提供するANK療法は、世界でも数少ないNK細胞の本格的培養によるがん治療です。創業のきっかけとなったのは、ひとりの進行がん患者が完治を目指して、様々な治療を調べ、まだ実験段階であったANK療法によって、標準治療では助からないといわれた状態から生還したことです。その効果を実感した患者自身が創業し、現在に至ります。医療という制約の多い世界で、実験段階の治療を受けるまでには、相当な困難があったと思います。しかしながら、治るため、助かるために遠慮することなくやるべきことをやったから実現したわけです。助かるためには遠慮してはいけない──がん患者はこのことを忘れてはいけません。
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