厚生労働省ががん治療を行う病院について比較・検討が出来るようWEB上で情報開示を行うとのこと。どこまで利用出来るサービスになるでしょうか。
役立つ情報を手に入れるのは大変
がんという生死に関わる大病を患ったら、誰もがよりよい治療を受けたいと思うでしょう。以前から名医やよい病院のガイドは週刊誌や健康雑誌の定番のテーマでした。また、インターネットが普及した昨今では、「がん」「名医」といったキーワードで検索するだけで、膨大な情報にアクセスすることが出来ます。問題はその精度です。玉石混交の情報の海から自分にとって役立つ情報を手に入れるのは、結構骨が折れます。探している情報に行き着かないこともあれば、いい加減な情報に惑わされることもあります。
がん治療の拠点となる427病院が対象
さて、厚生労働省では全国のがん治療の拠点となっている427病院について、WEB上で情報を開示し、患者が比較する仕組みを作る計画があります。国立がん研究センターのがん対策情報センターが運営するサイト「がん情報サービス」を充実させ、2017年の6月には利用可能になる予定。患者が自分の住んでいる都道府県、がんの種類、進行度合いを指定すると、直近の年度でそれぞれの病院の実績が表示されるということなので、患者にとっては病院選びの判断材料になりそうです。
数がわかるだけで、成績まではわからない
とはいえ、わかるのはあくまでも患者や手術の数に過ぎません。確か評判の悪い病院にはたくさんの患者が来ることはないでしょうが、患者や手術の数だけでは病院の優劣を判断することは出来ません。基本的には完治という概念のないがんにおいて、何を治療成績の尺度とするのは難しいところですが、本当に求められるのは、そこにまで踏み込んだ情報です。
標準治療だけでは限界があるが
もうひとつ指摘したいのは、対象としている427病院が行っているのは標準治療だということです。転移と再発を繰り返す進行がんに対して、標準治療だけで対処するには無理があることは明らかです。インターネットの普及した時代とはいえ、まだまだがん患者が本当に必要としている情報は周知されていません。標準治療が全てだと思い込んでいる方は多いでしょうし、標準治療では限界があることに気づいても、あまりの情報量に一体何をやったらいいのかわからなくて困っている方も多いでしょう。自由診療も含めた様々な治療を含めて比較・見当が出来なければ、患者が本当に求めている「完治」「元気になる」といったゴールを目指す手助けにはなりません。
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