2020-10-28
標準治療が出来なくなったら何が出来るのか? 2
標準治療で出来ることがなくなったとしてもあくまでも保険診療の範囲ではやれることはないということです。
がん遺伝子パネル検査で分子標的薬を探す
ガイドラインに沿った治療の効果がなくなり、標準治療が終了すると、通常は緩和ケア等しか受けられません。近年、がんゲノム医療が推進され、標準治療が終了した患者は、がん遺伝子パネル検査で効果が期待出来そうな分子標的薬を探すことが出来るようになりました。がんは遺伝子の変異で起こり、分子標的薬はその変異、つまりはがんの性質に応じて開発されています。従来の標準治療は部位別にガイドラインが定められていましたが、部位ではなくがんの性質から治療を選ぼうという取り組みです。標準治療を終えた患者や希少がんの患者は、がん遺伝子パネル検査が保険適用です。しかし、この検査で候補となった分子標的薬が、必ずしも保険適用とは限りません。費用の面で断念せざるを得ない場合が多いでしょう。
真っ当な治療なら保険適用になるはずという誤解
後は自由診療の中から自分に合った治療を探すことになります。確かにがんの自由診療は玉石混淆で、中には効果が疑わしい治療が少なくありません。怪しい治療が批判されるのは当然のことですが、注意したいのは真っ当な治療なら必ず保険適用になるとは限らないことです。がんの新薬の開発コストは近年高騰し、承認までにかかるコストは数千億円といわれます。これだけの投資を出来る製薬会社は限られています。また、これだけの投資をして相応の利益が上がる見込みがなければ、製薬会社は参入しません。他人の意見に惑わされず、科学的j根拠があるか、実績があるか、そのあたりを自分で見極めて、適切な治療を選びたいものです。
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