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2020-09-25

設備の小型化でBNCTの普及が加速するか


BNCTは中性子を利用するため、加速器を設置する広いスペースが必要でした。

炭化ケイ素半導体の技術で加速器を小型化
BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は、あらかじめがん細胞に取り込ませておいたホウ素に、中性子を照射し、核分裂を起こした際のエネルギーで、がん細胞を破壊します。このエネルギーは細胞1個を破壊するエネルギーなので、ホウ素を取り込んでいない正常な細胞には影響がなく、がん細胞を狙い撃ちに出来るというわけです。BNCTの難点は、中性子を発生させるために、大規模な施設が必要になり、それがコスト面でも大きな負担になることでした。既に保険適用となり、多くの起業が参入していますが、福島県双葉郡の福島SiC応用技研では炭化ケイ素(SiC)半導体の技術を利用することで、設備の中でも大半のスペースを占める加速器の大きさを、10分の1にすることに成功しました。これまでは加速器のための建物が必要なくらいであったのが、既存の部屋に設置出来るようになり、費用が圧縮出来ると同時に、広大な土地が確保出来る郊外でなくてもよくなるということです。BNCTが普及する一助になるのではないでしょうか。

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