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2020-07-13

iPS細胞を利用し、子宮頸がんの増殖を抑制するCTLの作成に成功


様々な細胞に分化するiPS細胞を使った再生医療は、がん治療にも導入が進んでいます。

iPS細胞に戻すことで、T細胞が若返る
順天堂大学などのグループは、iPS細胞を利用して、CTL(細胞傷害性T細胞)の作成に成功し、マウスの体内で子宮頸がんの増殖を抑制する効果を確認しました。免疫細胞には幾つかの種類がありますが、T細胞は樹状細胞によってがん細胞の目印をである抗原を提示されることで、CTL(細胞傷害性T細胞)としてがん細胞を攻撃します。がん患者の体内ではがん細胞によって免疫が抑制されており、また抗がん剤などの治療を続けていると、免疫細胞にダメージが重なり、質も量も低下しています。がん患者のCTLを体外で強化して、体内に戻す免疫細胞療法においては、そこが大きな課題でした。そこで、健常者の末梢血から採取したT細胞からCTLを作成し、それを一旦、iPS細胞にし、再度T細胞に分化させCTLにする研究が続けられてきたのです。一旦、iPS細胞に戻すことで若返ったT細胞は、高い抗腫瘍効果を発揮しています。今後の課題は、拒絶反応が起こらないよう、ドナーと患者のHLA型を遺伝子編集によって一致させることです。

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