2020-06-10
ワッキーさんが罹患した中咽頭がん治療のポイントとは?
首から上には生命維持に関する重要な機能が集中しており、がん治療においてもそれを考慮することが不可欠です。
頭頚部には機能や感覚が集中
お笑いコンビ「ペナルティ」のワッキーさんが、中咽頭がんと診断されたことを公表しました。ステージ1の早期ですが休養し放射線による治療を受けるそうです。脳の下から鎖骨の上までに出来たがんは、脊髄と眼球のがんを除き、頭頚部がんと呼ばれます。口腔がん、舌がん、咽頭がんなどです。咀嚼、嚥下、発声などの重要な機能、味覚や嗅覚、聴覚などの感覚に関係する部分であり、治療には慎重さが求められます。また、一般的に抗がん剤が効きづらい部位でもあります。
侵襲の少ない治療が開発されている
かつては延命を優先して、拡大手術が主流でした。それが機能や容貌温存の考え方から放射線に移行していきました。しかし、放射線は同じ場所に再発すると使えなくなるため、患部に集中照射の出来る技術が開発されたり、大きな線量でピンポイントに狙い撃てる粒子線が保険適用になったりしています。また、侵襲の少ない手術も開発されています。標準治療を終えた患者が対象ではありますが、免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」も選択肢のひとつです。お笑い芸人のワッキーさんにとって声は大事な商売道具。何とか無事に回復して、また元気な姿を見せて欲しいものです。
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