2025-11-14
食道がんの胸腔鏡下手術は、開胸手術を上回る生存率

国立がん研究センター、浜松医科大学、慶應義塾大学医学部、日本臨床腫瘍
食道がんの開胸手術は、侵襲が大きく、より負担の小さい胸腔鏡下手術が注目されていました。
胸腔鏡下手術が新たな標準治療になる可能性
研究グループは、切除可能な食道がんに対する従来の標準治療である開胸手術と比較して、胸腔鏡下手術の生存率は劣らないという治験結果を発表しました。食道がんの手術は胸を大きく切開し、侵襲が大きいため、負担の小さい胸腔鏡下手術が注目されていますが、従来の開胸手術と比較した研究はありませんでした。このグループは、切除可能な食道がん患者を対象に、開胸手術と胸腔鏡下手術の生存期間を比較するランダム化比較第III相試験を国内の多施設と共同で実施しました。2015年5月から2022年6月にかけて300名の患者が登録され、3年後に生存している患者の割合は、開胸手術が70.9%であったのに対し、胸腔鏡下手術では82.0%と上回っていることがわかりました。また、術後に早期の呼吸機能低下を来した患者の割合は、開胸手術が12.5%であったのに対し、胸腔鏡下手術では9.7%と、術後の呼吸機能低下が抑えられていました。胸腔鏡下手術は切除可能な食道がん患者に対する標準治療のひとつとなり得るでしょう。
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