toggle
2017-06-12

専門家の25%は、自分が進行がんでも、抗がん剤に消極的

医師と薬剤師を対象に行ったアンケートで、4人に1人が抗がん剤治療に対して消極的な回答をしたそうです。

「受けたくない」「限定的なら受けてもよい」が25%
医師や薬剤師の4人に1人は、自分が進行がんになっても、抗がん剤治療には消極的だという調査結果を、大森赤十字病院外科部長の佐々木慎医師がまとめました。東京都と神奈川県でがん治療を行う大規模な医療機関に勤務する医師53名、薬剤師29名に対して行ったアンケートの結果です。自分が進行がんになった場合、抗がん剤治療を「受けたくない」「限定的なら受けてもよい」と回答したのは21名で、全体の25%を占めました。理由としては「根治しない」「時間が無駄」「延命を望まない」「副作用がつらい」などが挙げられています。

抗がん剤を使う場合でも、進んで使いたいわけではない
25%という数字が多いか少ないかはともかく、こういう報道を目にすると、医師や薬剤師といった専門家でも抗がん剤に対して否定的な見解を持つ方がいるように印象づけられるでしょう。医師が嫌がるような治療は、患者も受けたくはなくなるはずです。しかし、程度の差はあれ、どんな薬でも効果があればそれだけ副作用もあります。抗がん剤治療を受けるという判断をした場合でも、進んでは「受けたくない」はずです。「受けたくない」と「受けない」では大きな違いがあります。

標準治療を否定することは非現実的
抗がん剤の副作用や限界が周知されるようになり、標準治療は何かと批判の対象になることが多くなりました。しかし、標準治療はがんを叩くという意味では最も効果的であり、保険診療として誰もが受けることが出来ます。問題はそれだけでは進行がんに対しては延命しか望めず、完治させたいのであれば補完の手段が必要だということです。進行がんと闘う上では、標準治療を軸に治療を組み立てるのが現実的であり、否定することはお勧め出来ません。

Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0
関連記事