2024-08-23
がんから骨を守るコラーゲンの壁を発見
がんは進行すると全身に広がっていきますが、骨に侵入して転移します。
免疫だけではないがんを排除する仕組み
東京大学のグループは、がん細胞が骨に近づくと、骨がコラーゲンなどで壁を作って、侵入を防ぐことを発見しました。体内でがんを予防したり、進行を食い止めているのは免疫ですが、これ以外にもがんに対抗する仕組みがあったのです。口腔がんでがん細胞があごの骨の近くにある場合、コラーゲンなどで構成され、骨を包む骨膜が厚くなっていました。この現象をマウスで再現して調べたところ、骨膜の細胞でTimp1という蛋白質の分解を抑制する遺伝子の働きが活発になっていました。がん細胞が骨に近づくと、骨膜がコラーゲンなどで厚くなり、侵入を防ぐ壁になっていました。この遺伝子を抑制したマウスに、がんを移植すると、がんは骨に侵入し、健康なマウスよりも早く死にましたが、がんを移植しなければ、健康なマウスと同様に生きているので、この遺伝子はがんの侵入を防ぐことに関係しているわけです。この遺伝子を活用することで、がんの進行を食い止められるのではないかと期待されています。
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