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2020-06-04

原発不明がんに免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」が奏効


標準治療は部位によってガイドラインが定められており、どこが原発部位かわからないがんに対しては、治療方針の確率が困難です。

オプジーボでがんが半分以下に縮小
原発不明がんは、既に転移した状態で発見され、原発部位がわからないがんで、全体の2~5%を占めるといわれています。標準治療は部位によって確立されているため、治療の方針が立てづらく、5年生存率は2~6%と厄介ながんだといえます。近畿大学のグループは、この原発不明がんに免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」を使用する医師主導治験を行い、有効性を確認しました。既に抗がん剤治療を行った原発不明がんの患者45名に、オプジーボを投与したところ、10名はがんが半分以下に縮小しました。効果においても約半数が1年以上継続し、一般的な抗がん剤2種類併用の4~7か月より長くなっています。また、抗がん剤治療前の患者11名にも投与したところ、2名でがんが半分以下に縮小しています。

免疫が回復すれば、どんながんにも有効
がんは免疫の病気といって差し支えありません。本来、免疫は日々生まれるがん細胞を速やかに排除していますが、加齢やストレス、病気などの影響で免疫が十分に機能せず、生き残ったがん細胞が大きな腫瘍になった結果が、がんという病気です。また、がん細胞は生き残るために様々な手段で免疫を抑制します。がんが大きくなればなっただけ、がん細胞が増えれば増えただけ、患者の免疫は抑制されているのです。いいかえれば免疫を回復させる治療は、どんな種類のがんであっても有効なのです。免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞による免疫の抑制を解除するので、理にかなった治療といえるでしょう。

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